めまいと糖尿病
- 糖尿病克服日記
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糖尿病は自覚症状が乏しく、本人が気づかないうちに進行している場合が多々あります。
トイレが近いとか、尿が泡立っているなどは、最近では比較的よく知られるようになりました。
しかし、ちょっとした立ちくらみやめまいなどは、ほとんどの人が軽く考えて、気にしない場合が多いようです。
じつは、こうしためまい症状は糖尿病の可能性があるのです。
めまいや立ちくらみというのは、大きく以下の3つの原因が考えられます。
① 脳の血流に異常がある場合
② 耳の奥にある「内耳」に異常がある場合
③ 自律神経に異常がある場合
血糖値の高い状態が続くと、ソルビトールと呼ばれる毒性物質が大量に産生され、毛細血管や神経細胞内に蓄積されて、末梢血管や末梢神経が侵されていきます。その結果、網膜症、腎症、神経障害といった合併症を引き起こすことになるのです。
糖尿病の合併症として、最も発症率が高く、比較的早い時期に現れるのが神経障害です。神経障害には、末梢神経障害や自律神経障害がありますが、めまいや立ちくらみの原因になるのは「自律神経障害」です。
自律神経というのは、心拍や血圧、その他すべての臓器の働きを、その人の心身の変化に応じて、本人が安全で快適にいられるよう、プラスとマイナスの働きでバランスをとりながら絶えずコントロールしてくれる神経です。
ですから、自律神経障害におちいると、全身の機能に影響を及ぼし、様々なトラブルが発生することは容易にご理解いただけることでしょう。
そのトラブルの1つが、めまいや立ちくらみというわけです。急に立ち上がったとき(起立性低血圧)や入浴時に血管が広がったときなどに血圧がうまくついていけず、こうした症状が起こってしまいます。
また、血糖値が高いと血流が悪くなるので、内耳のバランス感覚を司る器官(三半規管)やその周辺に充分な栄養が届かないことでめまいを起こす場合もあります。
そうした症状を訴えると、一般の医療機関では末梢神経拡張薬、血流改善薬、自律神経調整薬などを中心とした薬物療法を行うのがふつうです。
薬物治療によって一時的に症状の一部は改善されるかもしれませんが、そもそも一般的なめまいと違って、高血糖による神経障害が大きな原因となっていますので、それらは対症療法に過ぎません。
血糖値をコントロールしないかぎり解決は難しく、悪化の一途をたどってしまうことになります。
最初はめまいや立ちくらみ程度でも、手足の感覚や力の入れ具合が分からなくなったり、障害物がなくてもすぐにつまずいたり、階段の昇り降りや車の運転も難しくなるかもしれません。
そのほか、じつは糖尿病の薬の副作用でめまいが起こることもあります。
天然のものと違って、血糖値を下げるという一方的な働きしかもたない化学薬剤は、環境や体調の変化によって上下する血糖値にうまく対応することができません。
したがって、運動で糖代謝が改善した時などは、過剰な血糖降下作用で
いち早く低血糖におちいってしまい、低血糖症状であるめまいや意識の低下が起こります。
つまり、「糖尿病になるとめまいを起こしやすくなる」ということを認識しなければならないということです。