血糖値ってなに?
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血糖値とは?
「血糖値」とは、血液の中に含まれている「ブドウ糖(グルコース)の濃度」です。
ブドウ糖は、生命を維持するための大事なエネルギー源であるために、体内を流れている血液の100mL中に通常100mg前後が含まれるよう、厳密にコントロールされています。
私たちが食べ物からエネルギーをつくるとき、直接的に働く栄養素は「糖質」です。食事とともに摂取した糖質は、小腸で分解されてブドウ糖となり吸収されて血液中に溢れます。
食後は血糖値が上がりますが、糖を速やかに細胞が取り込むよう、すい臓はインスリンを出動させます。
インスリンがなければ、ブドウ糖が中に入るための細胞の扉は開きません。
過剰なブドウ糖は肝臓や筋肉に運ばれてグリコーゲンとして貯蓄され、空腹になったり運動などでエネルギーを消費したときは、肝臓や筋肉、脂肪組織からブドウ糖が作り出されて血糖値が下がらないよう調節されています。
こうした糖に関する一連のシステムが、「糖代謝」といわれるもので、その目安となるのが「血糖値」というわけです。
糖尿病と血糖値の関係は?
体質的にインスリンを分泌できない「Ⅰ型糖尿病」を除けば、糖尿病の原因は第一に過食です。
例えば、ある1日だけ限界といえるほどの過食をしてみると、尿の中に糖や蛋白が出てきます。
通常なら、この成分は尿の中にみられませんが、あまりにも摂取量が多くなると、これらの血液中の濃度を一定に保つため、体は懸命に排泄します。
翌日には過食をやめ、元通りの適度な食事量を維持すれば、体は何事も無かったように元に戻ります。これを一過性の「食事性糖尿」および「食事性蛋白尿」といいます。
しかし、こうしたことをある1日だけでなく、たびたび繰り返したとしたらどうでしょう?
尿で排泄しきれない糖を、最初は「グリコーゲン」という保存型に変化させて肝臓等に蓄えますが、それでも間に合わないと、血液中に一定以上の糖がいつも溢れ出ることになります。
これが「血糖値が高い」という状態です。
もちろん、そうなる前に膵臓はインスリンをたくさん分泌し、糖を細胞内に取り込んでエネルギーに変えようとします。
ところが次から次に糖がつぎ込まれると、膵臓はインスリンを出しても出しても間にあわず、ついに膵臓は疲れきってしまいます。
細胞のほうも、いつも周りに多くの糖とインスリンがあるので感受性が鈍くなり、インスリンがあっても反応しにくく、細胞内に糖を取り込むことを怠りがちになるのです。
糖尿病と診断されるほどの血糖値は、すでにこのように体の各所が最大限の努力をし、徐々に変化が起こった末の現象なのです。