肥満パラドックスの否定
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「肥満パラドックス」とは、近年報告が増えている、過体重であるほうが長生きするという説。
この説が、米国のハーバード大学と、英国のケンブリッジ大学の研究者らが中心となって行った共同研究によって否定されました(2016年7月13日『ランセット』誌)。
今までの研究では、解析対象者が低体重が原因というよりも、疾患があることや喫煙による体重減少が考慮されないまま解析されていました。
今回の研究では、これらのバイアスを除いてBMIと死亡との関連を研究するために、喫煙のない者で、慢性疾患の罹患がない者が解析対象とされました。
その結果、「肥満パラドックス」はみられず、疾患別では、BMIが5上昇するごとに心血管系疾患の死亡リスクは49%、呼吸器疾患の死亡リスクは38%、がんの死亡リスクは19%、各々上昇したといいます。
ハーバード大学のフー教授は、今後も医師は過体重であることが、糖尿病や心血管疾患などのリスクを高めるとして、指導する必要があると述べています。