糖尿病性腎症
- 糖尿病の合併症
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糖尿病性腎症は、3大合併症のひとつです。
腎臓は血液のろ過装置として、細い血管の塊である糸球体が集まってできているために、糖尿病性細小血管障害によって腎機能が低下します。
腎臓の主な働きは、血液中の老廃物や不要物を尿中に排泄し、必要なものは体内に戻して血液の適正な環境を保つことです。
こうした機能が損なわれると、不要物が体内に蓄積されて尿毒症となり、生命の危機にさらされます。
そこで、腎臓の濾過機能を代用するために人工透析を行います。 現在では、新たに人工透析を導入される原因の第一が糖尿病です。
糖尿病性腎症進行の主な流れ
糖尿病性腎症の初期には、わずかにアルブミンというタンパク質が漏れ出す「微量アルブミン尿」の時期があります。
蛋白質は分子量が大きく、本来なら糸球体から尿中に漏れ出すことはないのですが、この段階では通常の検尿で検出できず、自覚症状もまだありません。
進行すると、尿中タンパク質の量が増えて通常の検尿で検出できるようになります。
さらに進行するとネフローゼ症候群となってタンパク尿やむくみが顕著になり、やがて老廃物や不要物を尿中に排泄できなくなって腎不全に突入します。
糖尿病性腎症が末期まで進行し尿毒症の状態になると、 人工的に老廃物や不要物を血液中から取り出すために人工透析をしなければなりません。
人工透析の技術は昔にくらべてかなり進歩しましたが、普通の生活にくらべると少なからず苦労や制約を伴います。
糖尿病性腎症の予防
予防法としては、とにかく血糖値を高すぎない状態にコントロールすることです。
そして、定期的な検査によって腎症の早期発見につとめること。
【日本慢性腎臓病対策協議会の腎機能チェック】
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GFR値(腎臓の糸球体が1分間にろ過してできる原尿の量)を推定する
【ネフローゼ症候群の診断基準】
1、尿蛋白1日3.5g以上(定性4+)
2、血液中のアルブミンの濃度が3.0g/dl以下
腎臓は極めてデリケートな臓器ですから、一旦障害されると食事療法や運動療法も制約がでてきます。
糖尿病を軽く考えず、初期の段階から血糖コントロールを心掛けて生活することが大切でしょう。